2023年の夏、無事に還暦を迎えることが出来た。
入社当時、定年退職は55歳だった。数年して20代後半になると定年が60歳に延長されたと記憶している。当時、60歳なんて遠い未来の話しで、5歳延長されたとて、若者は大して意識はしなかった。
その後、50代が見えて来て、年金は段階的に延長され、65歳からの支給に変更された。定年も65歳に延長され、マラソンレース中にゴールがどんどん先に延ばされるような、なんとも言えない不安や怒りを感じたものだ。
子供達の学費の事も有り、年金支給年齢までは仕事を従来通り継続することにした。しかし、そうは言っても気持ち的にはやはりひと区切りだ。おのずとこれまでの人生を振り返ってこれからの人生をどのように生きるのか漠然と考えてしまう。
還暦は、人生のあり方を考える特別な年なのである。
これまでの人生では、将来の目標を設定してそれに向かって突っ走る生き方だった。仕事上の難しい課題に直面しても、創意工夫して突破していって、目標が実現すると大きな達成感を感じたものだ。いわゆる昭和の「右肩上がり」の成長志向型会社人生だった。失敗もあったが、成功体験も数多く経験できた。そこには充実感や自己実現といった“生きがい”もたくさんあった。
カラダの変化
60歳を過ぎても毎日飲まなければならない薬も無く、定期検診でも特に異常は無い。脳ドックと心臓ドックを受けたが特に異常も見つからなかった。だがやはり、色々と体調の変化が現れてくるのだ。老化、あるいは加齢ってやつだ。
眼の変化
真っ先に「眼」の不調がやって来た。50代前半には両目の網膜剥離を患い、60歳手前で右目の視力が落ちて来て、白内障の手術をした。眼は脳の一部がブニョ〜んって伸びてできた器官らしいので、脳の老化(機能低下)を表してるのかもしれない。
同時期に良性発作性頭位目眩症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう)を患った。ある朝、起きあがろうとすると、目の前がクルクル回転して、まともに起き上がれない。三半規管に耳石が欠け落ちてしまうことで起きるめまいだ。まともに歩けたもんじゃない。一度発症すると1週間は会社に行けない。なんたって目が回ってまともに歩けないのだから。
厄介なことにこいつは治ったと思っても数ヶ月後に再発するのだ。予兆はある。なんだかクラクラするのだ。ベットに横になっても微振動、地震のような揺れを感じる。そうなると翌朝、またクルクル目が回るのだ。
脳の変化
脳が老化してくると以前と違うモチベーションになってくるのだろうか? 最近は色々とめんどくさくなってくる。明日できるコトは今日やらない。明日やればイイ。事前に片付けてしまおうと早め早めに物事を進めていた若い頃とは心持ちも変わってしまうのだ。
医学的な専門知識は持ち合わせていないが、ものの本によると前頭葉は人間の脳の中で最も早く老化が始まる部位らしい。思考力 判断力 集中力 気分 のコントロールなどがうまくいかなくなるそうだ。60歳過ぎて、そろそろ、その前頭葉が萎縮してきてるのかもしれない?
脳が若い子猫はなんにでも興味を示す。
この眼を見てくれ! 興味の対象にロックオン! あと先考えずに突進してくる。ソファーにぶつかろうが、椅子にぶつかろうが、お構い無しだ。
対して脳が古くなってる老猫はドッシリ構えてあまり感情を露わにしない。
彼は賢いので何か必要な時には眼で話しかけてくる。つぶらな瞳でナニやら訴えかけてくるのだ。たいがいは「ごはん」や「おやつ」のおねだりだ。動きも総じてユックリ、無駄な動きをしなくなる。
さて、自分はどうだろう?
あれだけ熱心に通った南アルプスでの渓流釣りもここ最近、トンとご無沙汰だ。釣りに対するモチベーションが低下して、まったく気持ちが入らないのだ!
いっとき、毎週、長距離を走り込んだロードバイクも最近はすっかり乗らなくなった。
今では、ゆっくりポタリング。ネオ・スポルティーフに移行してる。シャカリキにはしりこんだりはしなくなった。
バイクも然り、気が向いた時にチョットだけ 近所を徘徊する程度だ。でもそれはそれで楽しいし、満足なのだ。整備したり、修理したり、そんなことでも楽しいのだ。盆栽を愛でるような感覚なのかもしれない。このXLR 250BAJAも不動車をレストアしたものだし、その工程が楽しいのだ。
収入の減少
60歳を期に、給与体系が変化した。具体的な数字で言うと年収が2割も減るのだ。
春闘のビラに掲載される組合員平均賃金のグラフを見ると、60歳過ぎの平均賃金は32歳と同じだ。その後、年々下がっていき、65歳は26歳と同じ平均賃金になってしまうのだ。急激な賃金の引き下げと引き換えに第一線を離れて後進の育成などの役割に移行することを労使で取り交わしているにも関わらず、相変わらず最前線で働かされるのだ。仕事量は変わらず、質も変わらない、スキルだって急に無くなるわけじゃないのに。2割引きで今までと同じ仕事では、モチベーションも上がるはずもない。さながら閉店間際のお惣菜コーナーだ。
当初の人生設計では末娘が大学を卒業する時点で58歳。定年前に学費の心配をしなくて済むはずだった。が、末娘は1浪し、大学卒業時には私は59歳、なんとか逃げ切った!と思う暇もなく、今度は「大学院」に行くと。大学院の授業料を払う段になっての年収2割引は致命的なのだ。積立定期のようなものや、生命保険のたぐい、はては医療保険など、あらゆるものを解約してそれらの掛け金、や配当金を月収に当て込まなければならない。それでも足りなければ、あとは生活のレベルを引き下げる工夫が必要になるのだ。
物価高騰のご時世、金銭的に将来が不安になるが、まあ、なんとか生きていけるべ〜?と楽天的に考えるのがイイらしい。クヨクヨしても始まらないし、自分でコントロールできることは限られている。なるようにしかならないのだ。
断捨離
不要なものは捨てた方がイイとわかっちゃいるが腰が重い。めんどくさいのだ。残された人生の時間は少ない。面倒なことはしなくてイイ。やりたいことだけすればいいのだ! だがしかし、面倒なモノを残してあの世に行くと、残された家族には迷惑この上ない。ある程度はカラダが動くうちに片を付けておかなくてはならない。
余命20年?
オヤジが68歳、オフクロが88歳で、人生を終えた。昭和の激動を生き抜いた二人は実に逞しかった。自分はどーだろうか? 二人の中間点、78歳までの人生と仮定する。2年程おまけしてあげて寿命を80歳までと仮定しよう。すると? あと20年の人生なのだ? 永いような? 短いような? 夏が20回、桜の季節も20回、いちばん年長のお孫ちゃんが26歳か?その頃 彼は結婚してるだろうか?うまくすればひ孫の顔を拝めるかも?
モノは考えようだ。60歳まで生きながらえたのだから結果オーライ! これから先の人生はもうけモノ。「生きてるだけでもうけモノ」と考えて残りの人生を謳歌すればよろしい。今は、そういう心持ちだ。
年賀状
還暦を期に年賀状を書くのをやめた。ハガキ代もバカにならんし、そもそも、めんどくさくなった。来年の干支をどうにかしてデザインして、調子の悪いプリンターで印刷。便利なもんで宛先はデーター化してるのでそちらも印刷できちゃう。そんな、コンビ〜ニエンスなハガキを送ったとて、なんだか心もこもってないし、無理して面倒なことをしても時間がもったいないのだ。若者はSNSで済ましてしまう世の中だし。
人間関係
面倒なコトはごめんだ。来る者は拒まず。去る者は追わず。気の合う人間とだけ関係を持っていればいい。多くは要らないのだ。不要な人間関係ほどストレスが溜まるものはない。
仕事
65歳定年まであと4年とチョット。今のところ、気力、体力が続く限り最後まで粘ってみるつもりだ。だが、未来は分からない。どこかの時点でギブアップするかもしれないし、老兵はいつなんどき戦力外通告されるかもわからない。
まあ、その時は、その時だ?
定年後
4年後、私はナニモノになっているんだろうか? 漠然としていてイメージが出来ない。これからの4年間で具体的な展望をイメージしなければならない。このブログを使ってその辺りを考えて行こうと思う。
「人生 楽しんだモノ 勝ち」である。
続く。。。
人生の扉 …
作詞:作曲 竹内まりや
春がまた来るたび ひとつ年を重ね
目に映る景色も 少しずつ変わるよ
陽気にはしゃいでた 幼い日は遠く
気がつけば五十路を 越えた私がいる
信じられない速さで 時が過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ
I say it’s fun to be 20
You say it’s great to be 30
And they say it’s lovely to be 40
But I feel it’s nice to be 50
満開の桜や 色づく山の紅葉を
この先いったい何度 見ることになるだろう
ひとつひとつ 人生の扉を開けては 感じるその重さ
ひとりひとり 愛する人たちのために 生きてゆきたいよ
I say it’s fine to be 60
You say it’s alright to be 70
And they say still good to be 80
But I’ll maybe live over 90
君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように
長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にでもあるさ
I say it’s sad to get weak
You say it’s hard to get older
And they say that life has no meaning
But I still believe it’s worth living
But I still believe it’s worth living
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